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コラム
2019.11.11
任意売却物件とは、ローンの返済が困難になって売りに出される不動産のことをいいます。外面上は一般的な中古住宅と同様に流通しています。ただし売りに出される理由が通常の物件とは少々異なるため、いくつか固有の特徴があります。
不動産の物件情報サイトなどを閲覧していると、「任意売却物件」と注記された中古住宅が掲載されていることがあります。また、任意売却専門を謳った仲介業者のホームページなどを見かけることもあります。
任意売却とは、ローンの返済が困難になった住宅オーナーが、代金を残債に充てることを目的として住宅を売却することをいいます。買い手探しは不動産仲介業者に依頼することが多いため、その点では普通の不動産売却と変わりません。ただ違うのは、通常の売却はもっぱらオーナーが売却条件を決めるのに対し、任意売却の場合はローンの貸し手である銀行等の債権者の意向が入るという点です。そのため、買い手側にとっては通常の物件を購入するのとは異なる面がいくつかあります。
任意売却と通常の売却との違いは、価格設定に表れます。というのも、任意売却の場合は残債の返済期限までに売却を完了しなければならないため、買い手の出現を気長に待つということができないからです。そのため、売却価格は通常に比べて割安になる傾向があります。おおよその相場として、市価の3割前後は安くなると言われています。
ただし、実際の売却価格がすべてこの相場に沿ったものになるとは限りません。なぜなら、任意売却はローンの残債をゼロにするか、またはできるだけゼロに近づけることを目的としているので、個々の事情によっては大幅な値引きができないこともあるからです。
ともあれ、平均的に見れば任意売却物件が通常の物件より割安であることは事実なので、中古マイホームを探している買い手にとっては、価格面でのメリットが大きい物件であるということが言えます。
ただし、デメリットもあります。それは、任意売却物件については売り主の瑕疵担保責任が免責されるということです。通常の物件であれば、購入時に一般的な注意力をもってしても発見できなかったような欠陥が購入後に見つかった場合は、一定の要件を満たせば買い手は損害賠償や契約解除を請求することができます。しかし任意売却にはこの制度が適用されません。そのため、購入前には物件を通常以上に入念にチェックする必要があります。
任意売却物件の購入には住宅ローンが利用できるため、通常の物件と同じように買うことができます。ただしメリットとデメリットの両方を持っており、またオーナーだけでなく債権者の意向も確認しながら売買の交渉を進めていくので、通常とは多少勝手が違う点に注意が必要です。